我が家の天袋に長いこと大事にしまい込まれている宝物には
BAKU両親の残した物が数点あります。
その中には機材が無い為に数十年も再生できないままのオープンリールテープ5本もあり
特にその中の1本は録音用のリールテープで表題さえないものでした。
実家の引っ越しや消滅の度に無くなりそうな危機を乗り越えBAKU宅にたどり着き
しまい込まれていたリールテープでしたが、無くならなかった理由がこれ。
「多分、、、だけどな。おまえらのかぁちゃんの声がほんの少しだけ入ってるはずなんだ。
ほかのものを録音中に間違えてボタン押しちまったらしいからちょこっとだけなんだけどな。」
このひとことを実父が懐かしそうな声で呟きながらももう聞けはしないだろうから~と
棄ててしまおうとしたのをBAKUがかっさらって防虫防湿加工しつつジップロック(苦笑)
しといたものなわけです。
これをだな。絶対に無くさないようにするために
結婚して以来ずうっと旦那ちゃんにもしつこくしつこく言い含めつづけ
オープンリールの機械かなんか入手できないものか~と言い続け
まぁ、ある意味執念でしまい込み続けていたところ、最近は探せばいろいろあるんですねぇ。
機械ではなく、リールテープ含め多数の記録媒体のダビングサービスってやつがww
それをみつけて旦那ちゃんが数日なにやらわくわくしてますねぇ?とか思いながらも
BAKUは目先に迫っている本決算の書類に忙殺されていたのですが
「はい、これ持ってて。夜間配達で代引きの荷物が届くから。」
と、旦那ちゃんが家計費とは別にお金をくれまして。
???なんだろう?サンジのフィギュアとか遊戯王の映画のDVDでも買ってくれたんかな?
そろそろ誕生日だからですかな?なんてオオボケ脳みそでお預かりしてたんで~す~が。
届いたものは録音用リールテープとCDーRが1枚。
慌てて開封して再生してみたらまぁ、凄かった。
「うそやん。ほんの少しじゃないじゃん。まるまる75分以上全部じゃん。」
そう。リールテープの中身に断片的に出てくる会話のキーワードを繋げていくと
昭和45年頃の夏あたり。(ちゃんと当時の主なニュースを検索してみたんだぜ)
でもって当時の実父の仕事の内容から考えると家族5人そろってるって事は週末しかない。
大慌てで知らせた妹もすぐにすっ飛んできてもういちどじっくり聞きながら
姉妹の分もダビングするからね?って約束しました。
初めて聞いた声。
それはもちろん幼いころの自分の声もだけれど
当時幼すぎて今まで覚えていられなかった実母の声でもあり。
本当に会話として声を聴いた実母の声は
想像していたよりも早口気味で元気でアルトに近いメゾで
「お前がな、一番声だけは似てるんだよ。」
と、実父が晩年笑いながら話してくれたのを思い出して泣きそうになった。
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