伊織が義務教育の頃の夏、単独で遊びに行かせて貰ってた
義父の田舎のおじちゃんが亡くなりました。
都会っ子でその上なんとなく貧弱なイメージだった伊織が
今のどことなく生き抜くのには強そうなイメージになるのに
凄く栄養を注いでくれたと言うか教育してくれたおじちゃんです。
微妙に解りづらい伊織の「面白そうだ♪」と思う顔をすぐに覚え、
畑の草取りやら裏山の夜間宿泊やらいろいろ体験させてくれて
しかも過保護に連れ回すのではなくて適度にほったらかし。
本当に、伊織が欲しがる田舎の体験そのものをくれたおじちゃんでした。
伊織が義務教育を終えたのと同時におじちゃんは病に捕まっていまして
そんな時にうるさくしちゃいかんと言われて不義理をしていました。
しばらくぶりに義父がこの連休を利用して
お見舞いのつもりで出かけたのですが一歩間に合わず。
旦那は今日の仕事の合間に、明日には間に合うようにと喪服を宅急便に乗せました。
僕の本音は明日の学校を休ませてでも伊織を田舎に送りだしてやりたい。
だって多分伊織にとっては父親である旦那よりもきっと大事な何かを貰った人だから。
そんな大事な人を見送る事を経験させたいのが本音です。
でも、親戚とは言え、家族では無いので忌引きが利く筈もなく。
訃報を聞いた瞬間、伊織の顔が歪んでいました。
行きたい気持ちと行かねばならない学校の都合とが揺れていたんだと思います。
闇を突いて彼方の野辺の送りまで影も心も添いて奔らん[0回]
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